book report.

自由気ままに読んだ本の感想を。

「サードドア 精神資産の増やし方」

 

「サードドア 精神資産の増やし方」

東洋経済新報社

アレックス・バナヤン 著

大田黒 奉之 訳

 

ずっとずっと気になっていた話題書。東洋経済オンラインでひろゆき氏が取材を受けていたことをきっかけ。以下にリンクしておく。

 

toyokeizai.net

 

完全にフィーリングだけど、話題書に気に入ったものがあると飛びついてしまう。多くの人が注目する理由とはいったいなんなのか…

 

本書は、生きていくうえで大事なものはなにか。それは、誰もが知らない方法でみんなを出し抜くこと、秘密の抜け道をみつけることだ。これをサードドアと言い換えて、自身の体験を例にして重要さを伝えていくという内容だ。伝記に近い。ビジネス書というよりは、文章がストーリー構成となっているので小説に近い感覚で読むことができた。教科書ぽくなくてイイ。

 

著者の目的である、著名人にインタビューをし成功の秘訣を聞こう!というアイディア。このアイディア自体すごく魅力的なのだが、この本の魅力はこれではない。我々に一筋の希望を与えることがこの本の魅力だと感じた。

 

私がこの本を読み終えたとき頭に残っていたものは、サードドアとは行動力が生み出す抜け道だ。ということだったからだ。著者はこの本を出版するために非常に多くの行動を起こし、失敗と成功を収めている。しかしその大半は失敗だ。失敗して失敗して失敗している。失礼なこともたくさん。親の大反対も受けて、おばあちゃんとの約束も破っている。抜け道をみつけるまでに非常に多くの失敗をしているのである。でも挫けずに行動し続けた。その結果ビルゲイツと会い、またはレディーガガに影響を与えるという結果を残した。目標へ向かう行動、検証の数が桁違いだったために、著者はようやく、結果に辿り着くための抜け道を見つけたのである。

 

ストーリーの中で、同じ失敗を繰り返すこともある。それが実に人間臭い。時には元気も失う。メンタルが回復せず時間を無駄にすることもある。でも、それでも立ち上がり、あきらめずに目標に向かうことでこうして、本を出版している。

 

失敗を恐れるな。とは良く言うが…心折れずに検証を繰り返すのはかなりの精神力がいる。

 

著者は本当にすごい。

 

私はリスクを恐れがちだ。心配性で踏みとどまることも多い。それにより行動に移し失敗した時の精神的ダメージが大きいのだけど、どうやらそれではサードドアは見つけられないらしい。

 

行動、挑戦、このふたつは人生に機会を、選択肢をもたらす。そのなかにいくつか近道が存在し、それを積み重ねることが成功へつながっていると・・・失敗しても立ち上がれる範囲内で、すこしづつ挑戦してみてもいいかもしれない。そんな気分になれる本だった。

 

でも・・・

 

私は臆病だ。どーーーーしても一歩踏み出す足がうごかない。死ぬわけじゃない、そういわれても無理。リスクがどれほどのものか考えることをめんどくさがっている自分がいる。つらいのが嫌だから。心をずっとやすめていたいから。自分を安心させていたいから。行動の結果の良し悪しは別にして、この腰の重さは厄介だ。

 

せめて、臆病さに一石を投じるきっかけが、強い原動力となる目標がみつかるといいな。奥手ではあるけど、私は今そんな目標を探すために本を読んでいる。能動的になるためにはまず、受動的に影響されたい。わがままだけどね。

 

目標が見つかった時、もう一度この本を読んで勇気づけられたい。

 

 

サードドア: 精神的資産のふやし方

サードドア: 精神的資産のふやし方